最近、電子書籍で読んだ特集についてつらつら。
元々、月額登録型で、雑誌をいろいろ閲覧できるサービスがあってそこで普段は気の向いた時にでも、ファミ通とか電プレとか読んでいるのだが、その日はたまたまどちらも閲覧済み。
そういう時は大抵諦めて別のことをしようと思ったりするのだけど不意に普段あまり目にしない経済紙のほうになぜか意識が行く。
雑誌名は忘れてしまったがそこで目にしたのがタイトルのAIの話。
曰く会社出勤の管理、社員の体調確認までをカメラ付きのAIで行わせていこうとかなんとか。
少し前のSFの世界だこれ。
スーツ姿の男が巨大なビルの中にある自社に出社する。入り口はよくわからん赤外線っぽいセンサーの赤い光が飛び交い通る一人一人をチェック。
扉の前まで来ると目の前にモニタが映し出され声紋、眼球をチェック、本人確認。
「お疲れ様です~様。」
みたいな機械音声が流れてきて扉オープン。
中に入るとともにドローンっぽく宙に浮いてる無駄にランプとかチカチカしてるロボが書類を持ってきながら、「今日は少し熱っぽいですね、風邪ですか?」
みたいな気づかいをしてくる。
それに対して書類を受け取りながら「昨日少し飲みすぎちゃったかな、ハハッ。」みたいな軽いジョークを飛ばしながら一面白色のオフィスが広がる中、自分のデスクに向かう。
という世界観が近づいてきているらしい(一部妄想あり)。
この間はマッサージチェアにAI乗っけて利用者の好みに合わせて対応してくみたいなものもあったし、商店で監視カメラから顧客の顔認識をしたうえで年齢を打ち出して年代別客層の統計、販売方式にまで口を出すAIもあるらしい。どこまで本気というか実用的なのかは知らないけど。
特集内の専門家によるとあくまで人力でやるのが面倒な部分をAIがやってくれて楽できるというだけという話。
だけど、AIがプログラムを組み始めちゃったり絵を描き始めちゃってる現状を見るとなんか無性に不安になる。
今はまだこっちが目的を提示したところそれに向かって最適解を出していくみたいなスタンスっぽい。
先の体調確認なら顔認識からのチェックリストで不健康そうな要素を探して行く感じだし、販売関係なら顧客データ収集から今までの売り上げ傾向とか出してなぞっていく感じになるだろう。
けど、これから先どんどんAIの学習機能とかが発達してくると適当な目的に対しても適応できるようになっていく気がする。
今だと実用段階で「社員」が、「健康で過ごせているか」、「チェック」。
という具体的なものに対して使われているが、今後、単に
「健康になりてえ」
みたいな漠然とした奴にも対応できるようになってたらどうなるだろうか。
今までの統計で解を出したり人間レベルの発想力のAIだったりしたなら健康食品を食べるとか、適切な運動をするとか、まあ、言われた側も納得するものが提示されてそのあとその個人個人にあった内容のプランとかが作られて健全に利用されていくとは思う。
だが、そこで人間の発想力をはるかに超えたAIがいたとする。
同じ「健康になりてえ」という質問を投げかけたときに全く理解できない回答が帰ってきたらどうだろうか。
例えば、
毎朝豆腐を二丁窓から投げ捨てる習慣を一か月続けろ
とか(この変なキーワードどっかに元ネタがある気がしたけど忘れた、某ラジオかな?)。
初め聞いた時には何言ってんだコイツぐらいの感覚だけど本当に怖いのはこの後。
とりあえず言われた通りこの珍妙な習慣を豆腐屋さんに全力で謝りつつ続けたところ見る見るうちに健康になっていく。
何人かが試して同じように健康になってって専門家が集まって理由を考えてみるけどわからない。
そんな状況になったら怖くね?
何を根拠にそんなこと言っているのがさっぱりわからないが、とりあえず言われた通りにやっているとばんばん成功していく。
理由はわからないがなぜか売れる。どういうわけか今まで失敗していたことがなんだか解決する。
直接AIに根拠を聞いてみてもさっぱり理解できない。
まあ、なんかさすがにこういう風になるのは夢見すぎな気もしなくはないけど追いつけなくなりそうな気はする。
火が燃える理屈がわからなくてもライターは使えるし、電子回路の構造を全く理解してなくてもスマホもPCも扱えてしまう時代だけど、同じように経営について全然知らないけどAIに任せとけばとりあえず商売が成り立つとかそういうことをいう時代になるんだろうか。