電車でいろいろ思う

たまには電車移動中であったやり取りについてもやもやしてみた話。

とある日の電車移動中。
車内は、立っている客も何人かいるくらいのちょい混雑気味という感じ。
その中で七人掛けの長椅子の二人分を使って贅沢に座っているおじいさんがいた。
体系的には普通の中肉中背といった普通の人なので、当然その人の両サイドには人一人は座れないくらいのスペースができている。
大荷物でも持っていてそれを置いてあるというなら納得できるけどそんなものはなし。
どちらかによればもう一人座れるのになーとか思いつつもまだ乗降口の前に人が立っている程度の空き具合だったのであまり気にかける人もなし。
そんなこんなでしばらくして、大きめの駅に到着。
何人か乗客が乗ってきて座席側にも並び始める。
しかし、通勤時間帯ほどの込み具合でもなくまばらに並ぶ感じ。
おじいさんのほうを見てみると普通に座っていて微動だにしていない。
意識もしっかりしているようなので、どかなくても大丈夫だろうと何かしらで判断したのか、それともほかに考え事があったのかだと思われる。
乗客のほうも何人かそちらに向かうが譲ってもらえなそうだとわかるとそそくさと離れていく。
またしばらく経ち、見た感じ柄の悪い男が乗ってきた。
そして例のおじいさんのほうに歩いていくと「どっちかによれよ」と普通の声のトーンで一喝。
おじいさんのほうはいづらくなったのか急いでその場から立ち去って行った。
一喝で退けたその人は立ち去る相手を時に気に留めた様子もなく、開いた席にどさっと座る。
そこだけ見ると怖いお兄さんに絡まれたかわいそうなおじいさんという図式だが、この男、人に言うだけあってマナーは守る。
席はしっかり一人分に座るし、次に来た人のために体を逆方向に寄せたりしてた。
見た目と労わらなければならない度では前のおじいさんのほうが圧勝だが、マナー、気配りの面では男の勝利といった塩梅。

この場合ってどちらが正しいというか正義なんだろうか。
初めに二人分の席を占有していたおじいさんの行為は確かに迷惑行為ではあるものの社内の混雑具合から言うとまだギリギリ個人の考え方として席を譲るタイミングではないかと思っても仕方ないといえなくもない。
対して次に来た男の行動そのものは開いている席に座りたいのでちゃんと一人分の席を使ってくださいというある意味当然の主張。
しかし、見た目、年齢差、実際のやり取りのせいで結果としておじいさんをどけさせて席を奪うという乱場なふるまいにも見えてしまう。
この二つをとって男のほうが悪いかというとはた目から見ていた感じだとそうでもない。
男のほうは態度こそ多少難があったもののマナーはばっちり守っている。
対しておじいさんのほうは座席を広く使う上に全く譲る気なしという行動で乗客の何人かには迷惑をかけている。
実際の被害としては男のほうがむしろ良い客だともいえる。
見た目ガラの悪い男がおじいさんに荒い言葉を使うという構図から悪いことをしているように感じてしまうが、実際に先に悪いことをしているのはおじいさんのほうなのだから怒られて当然という見方もある。
とはいえ、その際にその怒り方は口が悪いと思いますと周りが思っても仕方ない。
おじいさんがその場を足早に去っていったのも相手に多少なりともおびえての行為だったと思うし言い方があるのでないかと思わなくもない。
しかしながら、男の行動そのものには問題ない。
多少混んでいる車内で立っている乗客を無視して席を広く使っている奴を見たら多少なりともイライラはするだろうし、文句も言いたくなるだろう。
男の精神状態までは知らないが、その時ちょうど疲れていたり仕事上でストレスがたまったりしている状態だったかもしれない。
そんな状態でマナー違反をしている客を見つけたら思わず口が出てしまうかもしてない。

目的地に着くまでの間。そんな考えがしばらくの間頭の中をぐるぐるしてた。
若者に軽く絡まれた上に席にいづらくなってしまったおじいさんは確かにかわいそうだけど自業自得ともとれる。
でもそんな怖い思いをするほどの行いだったのか。
因縁はやがて互いの責を訴える裁判に発展、証人としてその時乗り合わせていた数名が証人として召喚されて・・・。
と、互いのその後についての妄想まで進んだところで、
もしかしたらお互い割と日常茶飯事的なことで実際には

男「どけよ」
おじいさん「うわ、この人めんどくさ、あまりかかわらないでおこう。」

ぐらいの軽い感覚で駅から出るころには忘れてしまうような日常の些末な出来事だったりするんだろうか。
それをこうして延々と気にした挙句、どちらが正しいかなんて考えているのは自分だけなのではという気もしてきた。
往々にして気にしているの周りばかりということはあるがこれもそんな出来事の一つだったのかも。
ともあれなんだかもやもやする時間だった。

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